
えっ、犬も猫も元は同じ動物だった!?
今や人間の大切な家族として人気を二分する「犬」と「猫」。
実はこの2種、共通の祖先『ミアキス(Miacis)』という動物から進化したことをご存知ですか?
「犬と猫が同じ祖先!?」と驚かれるかもしれませんが、今回はこの約5000万年前に存在したミアキスをキーワードに、犬と猫の進化の道のりをわかりやすく、最新の研究に基づいて解説します。
【1】ミアキスとは?|今さら聞けない犬と猫の“ご先祖さま”
ミアキス(Miacis)は、約5000万~6000万年前の古第三紀に生息していた、体長30cmほどの小型の肉食動物です。
イタチに似た細長い体と長い尾、短い脚をもち、現在のイヌ科・ネコ科・クマ科などを含む「食肉目(ネコ目)」の共通祖先とされています。
💡豆知識:「ミアキス(Miacis)」という名前はラテン語で「動物の母」を意味します。
かつては森を中心にヨーロッパ大陸など広範囲に分布していたとされ、現存する犬・猫の進化の出発点にあたる存在です。

ミアキス復元イラスト_出典:Wikipedia
【2】犬と猫はなぜ分かれた?|森と草原で運命が変わった
ミアキスの子孫たちは、その後生息地によって2つの系統に分かれたと考えられています。
- 森に残ったミアキスの子孫 → ネコ科へ進化
- 草原に進出したミアキスの子孫 → イヌ科へ進化
これが現在の猫と犬のルーツの違いです。
環境への適応が異なる進化を促し、それぞれ独自の道を歩んでいきました。
【3】「ネコ目」って何?|犬もネコ目ってややこしくない?
ここでよくある疑問が…
「なぜ犬なのに“ネコ目”なの?」
実は、「ネコ目」は**学術的には「食肉目(Carnivora)」**と呼ばれる分類群で、ネコ科・イヌ科・クマ科・アザラシ科など多くの肉食哺乳類が含まれています。
“ネコ目”という名称は日本独自のもので、1988年に文部科学省の学術用語集で「Carnivora」を「ネコ目」と訳したことが始まり。
現在でも、研究者は混乱を避けて「食肉目」を使うのが一般的です。
【4】犬の祖先はオオカミ?|ミアキスからトマークトゥスへ
ミアキス → トマークトゥス → オオカミ → イエイヌ(犬)
この流れが一般的な犬の進化系統とされています。
**トマークトゥス(Tomarctus)**は約1500万年前に存在したイヌ科の動物で、見た目は現在のオオカミや犬によく似ています。
ただし、「犬=オオカミの子孫」とする明確な証拠はなく、現在の研究では**犬とオオカミのDNAの違いはたった0.2%**と非常に近い存在であることがわかっています。

【5】犬だけが人間と共に暮らすようになった理由
最も古い人と犬の関係の証拠は、イスラエルで発見された約1万2000年前のお墓。
そこには、人間と一緒に埋葬された子犬の骨があり、当時からすでに共に生活していたと考えられます。
犬は狩猟や警戒に役立つ存在として人間社会に受け入れられ、共生関係が築かれていきました。
犬はただのペットではなく、“初めて人間と共に歩んだ動物”でもあるのです。
【6】シベリアンハスキーよりもオオカミに近い犬種とは?
オオカミに近い犬といえば、見た目から「シベリアンハスキー」と思われがちですが、**実は最もDNA的に近いのは「柴犬」**です。

2012年の『National Geographic』のDNA調査によると:
順位 | 犬種 | 原産国 |
---|---|---|
1位 | 柴犬 | 日本 |
2位 | チャウチャウ | 中国 |
3位 | 秋田犬 | 日本 |
4位 | アラスカンマラミュート | アメリカ |
4位 | バセンジー | 中央アフリカ |
6位 | シャーペイ | 中国 |
7位 | シベリアンハスキー | ロシア |
柴犬が1位という結果に、多くの愛犬家が驚いたのではないでしょうか?
まとめ
犬は、遥か遠い昔から
お互いに助け合う関係を築いていたようですね、
現在とは違う形で、生活には不可欠な存在だったのかもしれません。
それを踏まえると
現在でも仕事する犬がたくさんいるのも納得です、
公私共にまさしく、人間のよきパートナーですね。