人間と一番の「友だち」と呼ばれるイヌ、実際にイヌは1万年以上前から人間と共に行動していた事が分かってきており、人間が初めて家畜にしたのもイヌだといわれています。そんな昔からヒトと暮らして来たイヌはどんな生活をしていたのでしょうか。
古く青銅器時代(紀元前3300年〜)には欧州で犬を飼育していた
もともとイヌは欧州を起源にしていると考えられています。
そして恐らく青銅器時代に、特定の種類のイヌが欧州全体で広く飼育されはじめ、欧州全土に広がります。
そんななか、欧州諸国が世界中に植民地を作っていた時代に、欧州のイヌが世界各国に広がったのがイヌが全世界に広がった要因といわれています。
イヌは、食べ物のにおいを追って人間の集落にたどり着いたオオカミから進化していきます。
そして家畜化される中で、狩猟や護衛といった役割も担うようになり、ヒトと最も古いつきあいの、そして最も身近な動物のパートナーになったのでしょう。
農耕民族と狩猟民族でイヌの役割は違った
いわゆる日本人・アジア系を農耕民族としたなら、ヨーロッパ系は狩猟民族と分ける事ができます。この2つの民族で犬はどんな生活をしていたのでしょう
農耕民族(おもに日本やアジア圏)でのイヌの役割
農耕民族でイヌはおもに番犬として仕事をしており、家の外で飼われ、外敵や侵入者の接近を警告する重要な役割を担っていました。
狩猟民族(おもに欧州圏)でのイヌの役割
狩猟民族でのイヌは獲物の追跡や捕獲などに貢献しており、早くから人間との共同作業をしていたそうです。その後も家畜の誘導や家畜を外敵から守ったりと、つねに人間との共同作業を続けていきました。
農耕民族はイヌを外で飼う・日本でも最近まで外で飼われていた
長い間日本人はイヌを番犬として見ており、その為イヌを外で飼うという習慣が続いていました。その結果イヌの暮らしは蔑ろにされる事がおおくなります。
結果イヌの社会的地位が低い状態が続いたと考えられます。
狩猟民族のイヌとの関わり方が現在欧州でのイヌの地位を気づた!?
狩猟民族(欧州圏)でのイヌは獲物を一緒に狩り、家畜を守ってくれたりと、財産と家族を守るパートナー的な役割を担っていたため、イヌとの関係性が一方的ではなかったのではないでしょうか。欧州圏でイヌの社会的地位が確立されているのは、そういった歴史的背景も要因のひとつでしょう。
まとめ
イヌの世界で、よく欧州圏ではイヌへの虐待や法律がしっかりしていて、イヌが社会の一員として認められているという話を聞きます。これらがまさか農耕民族と狩猟民族の歴史からくるものが理由のひとつとは驚きです。
現在では、日本でもイヌの社会的地位は上がってきていると思いますが、数千年以上前からパートナーとして共に暮らしてきた欧州圏の概念とはDNAレベルでの差がまだあるのかも知れませんね(笑)。
参考文献
・『犬の科学』スティーブン ブディアンスキー(著),Stephen Budiansky (原著),渡植 貞一郎(翻訳),築地書館
・『ドッグズ・マインド』ブルース・フォーグル(著),増井光子(監修),山崎恵子(翻訳),八坂書房
・『犬の雑学』篠原 淳美 (著),インデックスコミュニケーション